株式投資を行う本来の目的とは?
ここで、個人投資家が株式投資を行う上で大切なことを確認しておきましょう。みなさんが、株式投資を行う本来の目的とは、何だと思いますか?
「そんなこと、儲けることに決まってるでしょ!」。
その通りです。間違いではありません。しかし、より正確に言うなら、次のように言い換えられると私は考えています。
〈限られた資金をどう大きく育てていくか?〉
個人投資家の誰もが1000万円や1億円といった投資資金を運用できるわけではありません。せいぜい数十万円から数百万円程度の資金を元手に株式投資をやってみよう、という人が多いのではないでしょうか。
つまり、「個人で株の売買に使える投資資金は限られている」と言えるのではないでしょうか。そして、その限られた資金を売買することで大きく育てていくことが、株式投資を行う本来の目的と考えています。
では、この目的を達成するためには、どうすれば良いのでしょうか?それを、これからご説明していきます。
株を買った後に遭遇する、さまざまなケース
同じ銘柄を、同じ株数、同じタイミングで買った人であっても、資金を大きく増やす人がいる一方、減らす人も出てきてしまいます。
このように、投資格差が大きく開いてしまうのが、株というものなのです。
巷にあふれる株情報の多くが、「株を買った後の売買をどうするか」までは教えてくれないことが、投資格差が開く一つの原因と言いました。
<< 株を買った後の売買をどうするかによって、投資格差は開いていく >>
だからこそ、買った後の情報が、株情報で最も重要な情報と言えるのです。なぜなら、株は買った後、さまざまなケースに遭遇するからです。
例えば、みなさんは、以下のようなケースを経験したことはないでしょうか?
(1)5%上昇後、暴落するケース
この場合は、すぐに売却しなくてはいけません。
(2)10%下落後、2倍になるケース
この場合は、追加で買い足すか、売らないで保有持続していくかの判断が必要となります。
(3)ほとんど動かないケース
この場合は、銘柄を入れ替えるべきです。
(4)下がり続けるケース
この場合は、一日も早く売って現金にしなくてはなりません。
このように、株は値動きによって対処の仕方が異なります。そして、この対処の仕方こそが、投資格差が開く原因となるのです。
ここに例として挙げたのは、実際によく起こる典型的なケースですが、あなたは自分だけの判断で、適切に対処する自信がありますか?
もちろん、買った株が上がり続けるのが理想ですが、残念ながら、現実にはそうではないことも起きてしまいます。
「いったんは上がって、その後下がってしまう」などはよく起こるものです。みなさんも、そのような経験をしたことがあるはずです。
では、そうした状況の変化に対処するために、しなくてはいけないことは何でしょうか?
それが「売買」です。さまざまな状況に応じて、売買をしなくてはいけません。
この売買の仕方で大きな投資格差が開きます。