株を買った後、するべきこと、してはいけないこと
株を買った後、多くの人がしてしまいがちなことがあります。一つは、「放置」、もう一つが「直ぐに売却」です。
どちらも両極端なアクションです。「放置」は、ようするに「何もしない」で保有している状態です。
株を買う前には、あらゆる情報を検討して、「これだ!」と決めた銘柄を買った途端、まるで何かを成し遂げたかのような気になっている人がいます。それは、錯覚です。
実際には、まだ何の成果も上げていないばかりか、ただ「放置」しているだけなのだと気づかなくてはいけません。
もう一つの「直ぐに売却」は、「デイトレード」などの場合を指します。株式市場が開いている間、ずっとパソコンモニターに向かい、リアルタイムに刻々と変化する値動きを注視し、売買を繰り返すのです。
一日中、買っては売り、売っては買って、利ざやを稼いだつもりになっていても、終わってみるとそれほどの利益にならず、徒労感だけが残るという場合も少なくないでしょう。
このように、「放置」も「直ぐに売却」も、決して正しい選択とは言えません。では、どうするのが正しい選択なのでしょうか?
正解は、「銘柄によって、状況によって、対応は変わっていく」です。なぜなら、「放置」も「直ぐに売却」も、それぞれ大きな欠点があるからです。
では、それぞれのケースについて見ていきましょう。
・放置
「放置」、つまり「保有を続ける」という選択では、本来の目的は達成出来ません。それは、「変化に対応できない」からです。
かつて高度経済成長の時代には、放置していても株価が上昇を続ける銘柄もありました。
しかし、現在はそのような時代ではありません。変化が大きい時代ですから、放置は時代から取り残されてしまう可能性が高いのです。
私たちが目的とする「限られた資金を大きく育てる」には、放置という選択はふさわしくありません。放置、すなわち、買った株を保有し続けた場合には、以下のような悩みが生じやすくなると言えるでしょう。
「流れに乗れず、全体が上昇しても自身の資産は増えない」
「塩漬け株を抱えて身動きが取れない」
「売りそびれで損が拡大してしまった」
「さまざまな変化に合わせられない」
これらの悩みは、「変化に対応した売買ができない」から起こってしまうことなのです。限られた資金であればあるほど、さまざまなチャンスを失ってしまいます(機会損失)。だから「放置」はデメリットが大きくなるのです。
・直ぐに売却
直ぐに売却してしまうやり方も、問題があります。1日の中で売買を完結する、短期売買の「デイトレーディング」。1時間の中で頻繁な売買をする、超短期売買の「スキャルピング」。数日から数週間の間で売買をする、短中期売買の「スイングトレード」。
これらが、「直ぐに売却」に当てはまります。このやり方の、どこが問題なのでしょうか? それは、簡単に言い切ることが出来ます。
つまり、売買期間が短ければ短いほど、「ギャンブルの世界」に入っていくからです。まさに「丁半博打の世界」です。ギャンブルの世界に入ってしまうと、次のような悩みが生じやすくなると言えるでしょう。
「勝ち負けの繰り返しで、資産が増えていかない」
「売買するのに忙しくて、仕事や家事が手に付かない」
「買ってもすぐに不安になって手放してしまう」
「利益が大きく取れない」
株式投資で目指すべき本来の目的は、〈限られた資金をどう大きく育てていくか?〉です。
しかし、この本来の目的から外れて、いつの間にかギャンブルの世界に足を突っ込んでしまうことが、実は、誰にでも簡単に起こりうるのです。
例えば、「仕手株」や「バブル株」を買っていくと、だんだんその世界に足を踏み入れることになってしまいます。
まさに「買ったらすぐに売らなければいけない株」が、そういう株の本質だからに他ならないからです。
このようなギャンブルの世界に足を踏み入れないためには、どうしたら良いのでしょうか?最初から怪しい株には手を出さないこと、それに尽きます。